海外転職にはどんなメリット/デメリットがあるの?
海外転職する際に注意した方が良いことはある?
上記のような悩みはないでしょうか?海外転職をしたいけど、「メリット/デメリットがわからない」「漠然と行ってみたい気持ちはあるけど大きな不安が拭えない」など。実際に、私も海外転職を検討していた際メリット/デメリットについて、全然知識がありませんでした。
そこで、本記事では海外転職のメリット/デメリット、海外転職時の注意点について紹介していきます。本記事では、下記がわかります。
- 海外転職のメリット/デメリット
- 海外転職にオススメの人
- 海外転職時の注意点
海外転職事情
海外転職とは、海外の企業に転職して働くことを指します。海外転職についてイメージが湧かない方もいると思いますので、海外転職の難易度やどれくらいの人が日本から海外転職しているかについて紹介します。
海外転職は簡単?
海外転職は、個人の能力によって異なりはしますがすごく難しいというわけではありません。職種を絞らなければ、海外転職は比較的容易にできます。
ただし、希望する職種があるなどの場合は難しくなるケースがあります。海外転職も日本の転職活動と同様に、企業は特定のスキルを持った人や条件をクリアした人を求めているためです。
海外転職をする際には、英語(またはその他の言語)力と日本での実務経験があった方が有利となります。下記のような事前準備をしてから海外転職活動をすることがおすすめです。
英語が話せない方→ オンライン英会話を実施して講師と日常会話ができるようになってから海外転職
日本での実務経験がない方→ 日本で2~3年働いてから海外転職
上記のような事前準備をしてから海外転職をすることで、海外転職の難易度が大きく下がります。また、給料や待遇も好条件にできる可能性が高まるので、可能な限り事前準備をしていきましょう。
海外転職する人はどれくらい?求人はあるの?
外務省によると、2021年10月時点の海外在留邦人数は134万4,900人となっています。日本の人口が1億2,500万人ですので日本人口の1.0%程度が海外で生活していることになります。大体、100人に1人が海外に住んでいる計算です。
海外在留邦人の中には、学生や退職後の高齢者も含まれるため134万人全員が海外転職経験者ではありませんが、海外で働くことも一つの選択肢になりうる時代となっています。
海外で生活する日本人が増えるに伴い、海外求人数も増加傾向にあります。例えば、大手海外転職サイトでは、2022年11月時点で下記のような求人数が掲載されています。
・マイナビ転職グローバル:約500
・JACリクルートメント:約1,400
・カモメアジア転職:約1,400
・Earth Times:約1,200
職種は、営業から事務・エンジニアなど幅広い分野の求人が各エージェントから出されています。転職サイトによって、掲載されている求人の量や業界、同じ求人でも条件が異なる場合があります。
各サイトで求人が異なるので、色んなサイトに登録して希望条件に合う求人を検索することをおすすめします。
海外転職のメリット5選
海外転職をするメリット5選について紹介します。
- グローバルな視野や価値観の形成
- 語学力を伸ばすことができる
- 人間関係のストレスから解放される
- 憧れの街に住める
- 将来のキャリア形成がしやすい
グローバルな視野や価値観の形成
海外の企業では、いろいろな国籍や多様な文化を持つ人と働くことができます。日本で生まれ育ち周りも日本人ばかりの環境だと日本の考え方が当たり前になりますが、海外ではそうではないことを知り自身の視野が広がります。下記が海外での主な働き方とスタンスです。
- ワークライフバランスを大切にする
- 仕事は効率重視で基本定時に退社する
- メールは「丁寧さ」よりも「簡潔でわかりやすい」ことが重視
- 休日は仕事のことを考えずしっかり休む
- 仕事が中心の生活ではなく、「人生を楽しむために必要だから仕事をする」
上記のように、「働き方」に関してだけでも日本と海外では当たり前や価値観が異なります。海外で働くことで、国籍や文化の違いを受け入れる力をつけ、広い視野で物事を考えられるようになります。グローバルスタンダード(世界標準)が何かを知り、海外の良いところを取り入れ世界で通用する人材に近づくことができます。
語学力を伸ばすことができる
「海外で仕事をする=現地の言語を使って仕事をする」ということです。ただ生活をするだけではなく、ビジネスシーンで外国語を使わないといけない環境に身を置くことで自然と語学力が伸びていきます。
仕事のスキルと語学スキルを同時に伸ばせるのが海外転職の特徴です。海外転職した直後は、語学の面で苦労する可能性もあるので事前に基本的な語彙や文法など勉強をしておくことがおすすめです。
人間関係のストレスから解放される
日本は特に、同調圧力の強い国です。少しずつ改善されつつありますが、まだ学校や会社の中で「個性」よりも「みんなと合わせて行動すること」が大切だと教育されているからです。そのため日本では、プライベートだけでなく仕事においても人間関係で悩む人が多いです。
たとえば海外では、行きたくない飲み会に参加する必要はありません。付き合いたい人と付き合い、付き合いたくない人はビジネスライクで良いのです。その区別がはっきりしているので、人間関係でストレスを抱えやすい人に海外転職はおすすめです。
憧れの街に住める
海外で働くことに憧れがある人も多いのではないでしょうか。もともと旅行を通して訪れた街などで気に入ったところがあればそこで長期間生活することもできます。たとえばヨーロッパであれば陸続きのため、ひとつ拠点を置いて週末は近くの国に旅行といった形で楽しむこともできるでしょう。
景観が好き、食文化が好き、その街に住む人が好き…など惹かれるポイントはたくさんあると思います。自分の理想とするライフスタイルに合った国を選ぶと、より充実したワークライフを送れます。
将来のキャリア形成がしやすい
日本では、新卒入社して定年退職するという「終身雇用」が昔から一般的で、少しずつ減ってはきましたが転職することが悪とされる文化がまだ残っています。転職が多いと、「忍耐力が足りない」「うちの会社もすぐに辞めてしまうのではないか」と印象が悪くなることがまだまだ多いです。
逆に、海外では転職することが当たり前です。自分が転職したいと思ったタイミングでできますし、将来ステップアップをしたり別業種へのジョブチェンジも気軽にすることができるため、自分に合った職場を見つけやすいです。
日本に帰国する場合も海外でのキャリアを生かして転職することも可能なので、語学力と現地での実務経験をアピールして自分にしかできない仕事を見つけましょう。
海外転職のデメリット5選
次に、海外転職のデメリット5選について紹介します。
- 語学力がないと苦労する
- 治安が日本より悪い場合がある
- 頼れる人がいない
- 医療面での不安
- 家族、友人にすぐ会えない
語学力がないと苦労する
海外転職で語学力を伸ばせるメリットがある一方で、はじめは語学の面で苦労する場合もあります。コミュニケーションが取れないと仕事の説明を受けても理解できなかったり、スムーズにタスクを遂行できないと思われ仕事を任てもらえないことも。
仕事だけでなく、生活面でも英語ができないことで苦労することがあり、生活する上で必要な銀行や病院、買い物や外食など様々な面で会話ができず大変な経験をすることもあります。
このようなトラブルに遭った時も英語が話せれば不安は解消できます。出発までに事前に「語彙」「文法」「構文」「よく使うフレーズ」などは勉強してから現地に行くのがおすすめです。
私もはじめてカナダに短期留学した時バスに乗り間違え、全く知らない土地にひとり降ろされ帰れなくなったことがあります。
つたない英語でバスの運転手に携帯電話を借りホストマザーに迎えに来てもらったため何とかなりましたが、こういうハプニングも基本的な英語力があれば乗り切れます!
治安が日本より悪い場合がある
日本は、地震や津波など自然災害を除けば、トップクラスに治安のいい国です。海外に住もうと思うと、ほとんどの国は日本より治安が悪くなってしまいます。犯罪率が日本より高い国も多いため、自分の身を守るために危険な場所に行かない、夜は出歩かないなど注意する必要があります。
特にアメリカは銃社会であるため一般人でも銃を持っている可能性があるなど、国特有のルールも理解しておく必要があります。外出する際も現金は持ち歩かない、貴重品は人前で出さない、持ち歩く場合は肌身離さない工夫をするなど知識があることで事前に防げることは防ぎたいですね。
頼れる人がいない
日本にはいつでも頼れる家族や先輩のような存在がいると思いますが、海外ではいないことが多いです。家族や友人と物理的な距離が離れてしまうため、会いづらくなりますし、何かアドバイスが欲しい時や事件に巻き込まれた時に相談できる相手が少ないことがストレスになることも。
そんなときのために、会社に頼れる人を作っておくことがおすすめです。その国に長く住んでいる人のアドバイスは、自分の助けになることも多いです。海外は人脈やコミュニティが大事な時に物を言います。
医療面での不安
日本には、国民全員が公的医療保険に加入するという「国民皆保険制度」がありますが海外にはない国も多いです。自身で保険に入る必要があったり、保険に入っていても急に入院や治療が必要な時はまず立て替え払いをしないといけない場合が多いです。
たとえば海外では歯科治療が保険適応外のことが多く、虫歯の治療だけでも数十万円かかる場合があります。自身で保険に入る場合も、対象の可否を事前に知っておき万が一のコンディション不良に備えるようにしましょう。
病気になった際にその国の言語で症状を伝えることができるかも不安です。日本人が多く住む都市や大都市には日本語が通じる病院もあるので、調べておくと安心です。
国籍はあくまで日本
海外転職しても国籍が変わるわけではないです。現地の選挙権はないですし、生活するうえで不都合になることもあります。バーやパブに入る際にパスポートが必要だったり、公共のサービスが利用できないこともありえます。
国民ではないので、サービスの利用料金が外国人料金と割高になることもあるので、注意してください。逆に、日本の在外投票権などは残ったままですので、海外に住んでいても日本の選挙の投票をすることは可能です。
海外転職にオススメの人5選
結局、海外転職はした方がいいの?
不安が大きくて私に向いているかわからない…
上記では海外転職のメリット/デメリットについて解説してきましたが、次に海外転職におすすめの人を紹介していきます。
- 日本の生活に疲れてしまった人
- 英語を使って仕事がしたい人
- プライベートをより充実させたい人
- 海外で生活してみたい人
- 日本の将来に不安を抱えている人
日本の生活に疲れてしまった人
日本での生活に疲れてしまった人は、海外転職で心機一転リフレッシュして再スタートするのもいいと思います。日本は、周りの人に過度に気を遣う人が多く仕事や生活しているだけで疲れてしまうことも多いです。
実際に私たち夫婦は、日本で気を遣いながら生活することに疲れてしまい海外移住を検討しはじめました。
また、日本は雇用主が強く労働者の立場が極端に弱いため、不当な依頼だとしても断れず対応しないといけない雰囲気があります。そういった環境下で労働を続けていくうちに、無意識にもストレスが溜まっていきます。海外では、いい意味で周りのことを気にせず自分のやりたいことができる環境であるため、無駄なストレスなく成果を出せることが多いです。
英語を使って仕事がしたい人
もちろん仕事でも英語を使うため、実務経験を積みながら語学力を伸ばすことができます。
「国際色豊かな環境で新しい文化や雰囲気に触れながら働きたい」「多言語を実践的に身に着けたい」などビジネスシーンにも対応ができるグローバル人材になることができます。
プライベートをより充実させたい人
海外では、ワークライフバランスをしっかり取り、公私をはっきり分けている国が多いです。プライベートの時間を十分確保できるので、家族との時間や自分の時間をしっかり取れます。長期連休も取りやすい会社が多く、1か月程度の長期間旅行も可能となります。
大手オンラインホテル予約サイトのHotels.com(ホテルズドットコム)によると、世界の休暇日数ランキングで日本は20位で、アジアの中では韓国に次ぐ2位ですがヨーロッパの国々とは連休制度も大きく異なります。
日本では短い休みをコンスタントに毎月取りたいという考えの方が多いですが、ヨーロッパなどでは2週間以上の休暇をまとめて取って、旅行などを楽しんでいることが多いようです。
1位:ロシア 40日
2位:イタリア 36日
2位:スウェーデン 36日
…
18位:韓国 27日
20位:日本 26日
海外で生活してみたい人
人生で一度は海外生活をしてみたい人にも海外転職はおすすめです。海外のビーチや中世の街並みで暮らしてみたい人もいるのではないでしょうか。
映画やSNSで見ていた街に自分が住んで生活することができる時代になっていて、旅行に行った際に気に入った街に海外転職するのもありです。長期での海外転職というより、短期で海外生活をしたい人にはワーホリもおすすめです。
日本の将来に不安を抱えている人
人口が減り続けている日本に不安を抱えながら生活している人もいるのではないでしょうか。労働人口が少なく高齢化も進んでいる中で定年退職も60歳ではなくなり、将来年金がもらえるのか、いつまで働き続けないといけないのか…先が見えない不安も多いです。
日本より成長が望まれる国で生活して、明るい未来を築きたい人は海外転職をすることで不安が晴れるかもしれません。どの国が自分に合っているか調べるだけでもワクワクすると思います。気になる方は是非一度情報収集してみましょう。
海外転職時の注意点5選
海外転職する際の注意点について紹介します。
- 海外で生かせるスキルがあるか
- 経済的に生活していけそうか
- 今の仕事/生活を捨ててでも海外転職したいか
- 治安は問題ないか
- 長期的に海外移住ができそうか
海外で生かせるスキルがあるか
海外転職先で生かせるスキルがあるか確認しましょう。海外転職は、スキルがあった方が確実に有利です。もし生かせそうなスキルがない場合は、日本で先にスキルを積んでから転職することがおすすめです。
国によって求めている技術者やスキルが異なりますので、自分のスキルがどこの国で生かせそうか確認してから移住先を決めるのも一つの手段です。
経済的に生活していけそうか
経済的に生活していけそうか確認しましょう。海外で生活を始める際には、渡航費や家具、住居など初期費用が最低限必要です。初期費用や物価も含め本当に生活できそうなのか試算する必要があります。
はじめは6か月分の生活費を最低限持って、渡航することがおすすめです。就職先が決まっていない場合は、もう少し多めに持っていくと安心して生活ができるかと思います。
今の仕事/生活を捨ててでも海外転職したい
海外転職する=いまの仕事と生活を捨てる、です。今の仕事や生活で悩みを抱えている人は、その悩みが海外転職で解決できそうか慎重に考えましょう。
海外転職してから、「やっぱり間違いだった」とならないように考えた結果、解決できそうなら思い切って海外転職してみましょう。熟考して海外転職した結果、日本に帰りたくなった場合は日本に帰ってくればよいと思います。
海外転職には向き/不向きがありますので、悩みすぎて体調が壊れてしまう前に日本に帰るという選択をすることも重要です。海外転職は前例が少ない挑戦ですので、勇気をもって臨機応変に対応していくことが重要です。
治安は問題ないか
治安的に問題ないかを確認しましょう。国や都市によって治安は大きく異なります。犯罪率や自然災害の発生率を事前に確認しておく必要があるでしょう。
SNSなどで実際に住んでいる人の意見を聞くこともおすすめです。また、外務省が各国の治安について情報公開をしていますので、外務省HPも参考にしてみましょう。
日本で普通のことが海外では危険な行為となることがあります。例えば、外出する時間を気を付けたり大金を持ち歩くのを控えたり、事前に情報収集をして自分の身は自分で守れるようにしましょう。
長期的に海外移住ができそうか
海外転職後にそのまま移住を考えている方は、長期的に海外移住できそうか確認しておきましょう。どのビザで海外転職することになりそうか、その国の永住権を取るためには何をしたらよいか、転職先の会社が永住権取得のサポートをしてくれるかなどがあります。
永住権取得の難易度は国によって大きく条件が異なるのと、言語力は最低限必須になることが多いです。言語に関しては、数週間で上達するものではないため一番最初に取り掛かるのがおすすめです。
まとめ:自分らしく自由に生きたい人は海外転職もアリ!
ここまで、海外転職について解説してきました。海外転職におけるメリット/デメリットや、おすすめの人5選、または気を付けた方がいいことなどおわかりいただけたでしょうか。
海外転職におけるメリットは下記の5点です。
- グローバルな視野や価値観の形成
- 語学力を伸ばすことができる
- 人間関係のストレスから解放される
- 憧れの街に住める
- 将来のキャリア形成がしやすい
海外転職におけるデメリットは下記の5点です。
- 語学力がないと苦労する
- 治安が日本より悪い場合がある
- 頼れる人がいない
- 医療面での不安
- 家族、友人にすぐ会えない
海外転職におすすめの人は下記の5選です。
- 日本の生活に疲れてしまった人
- 英語を使って仕事がしたい人
- プライベートをより充実させたい人
- 海外で生活してみたい人
- 日本の将来に不安を抱えている人
海外転職時の注意点は下記5点です。
- 海外で生かせるスキルがあるか
- 経済的に生活していけそうか
- 今の仕事/生活を捨ててでも海外転職したいか
- 治安は問題ないか
- 長期的に海外移住ができそうか
海外転職のメリット/デメリットを踏まえた上で、自分にとってメリットの方が多いと感じるようであれば前向きに海外転職にチャレンジしてみましょう!世界が広がりますし、自分らしい人生が送れるはずですよ。
海外転職に関して不明な点がありましたら、こちらから気軽にお問合せください。
コメント