英語が話せないけど海外転職はできる?
海外転職に必要な英語力はどれくらい?
「海外転職してみたい!」と思い立ったはいいものの、「英語苦手だし全然話せない…」と語学面で自信がなく一歩が踏み出せない方も多いと思います。海外においては日常生活でさえも言葉の壁が不安ですが、専門用語なども多い就職活動・ビジネスシーンではもっと不安なはずです。
そこで本記事では、海外転職に必要な英語力と、実際英語が話せなくても海外転職できるかについて解説していきます。
本記事では下記がわかります。
- 海外転職に必要な英語力
- 英語力に自信がない人でも応募可能な職種
- おすすめの英語勉強法
海外で働くために英語力は必要?
海外転職時に英語は必須ではないが、あったほうが有利!
海外転職には、最低限の英語力または現地の言語力が必要です。ロバートウォルターズによるとグローバル人材の96%が「英語力があると転職に有利」との調査結果を発表しています(出典:https://www.robertwalters.co.jp/about-us/news/2018-02-2.html)。
日本と同様に、上司や同僚と会話をせずにできる仕事はほとんどありません。国や職種によって必要な語学力は異なりますが、語学力があれば職種の幅が広がります。また、海外で仕事をするということは同時に海外で生活することでもあります。現地の言葉が話せないと、生活上苦労することも多いです。
海外転職で英語力が必要なシーン
①履歴書や必要書類を作成する
②入社する際の面接
③仕事における同僚や先輩との会議やメール/電話
④日常生活時(外食やスーパー、病院など)
履歴書や必要書類を作成する
日本での就職活動と同じく、興味のある企業に応募をする際に履歴書や職務経歴書など必要書類の提出が必要です。学歴や持っている資格、経験してきた経歴などをわかりやすく英語でまとめます。難しい単語もありますが、テンプレートのような物があるためそこまで心配には及びません。
入社する際の面接
就職前一番心配なシーンかと思います。ある程度話す内容を準備していても、その場で面接官から質問されるため応用力が問われます。ただ、面接官が見ているのは英語力だけではありません。応募者の人柄や話の内容、どう会社に貢献してくれるかなども重要視されます。完璧でなくても、一生懸命伝える姿勢は好印象です。
仕事における同僚や先輩との会議やメール/電話
実際に海外で仕事をすると、上司や同僚との会議や報連相・電話やメール対応などが発生します。就職する国が英語圏か非英語圏かにもよって求められる英語力は差があります。非英語圏は、現地社員も英語が第二言語のことが多いため、ビジネスレベルの英語力でなくても問題ない場合もあります。英語圏では同僚もネイティブ話者が多いため、ビジネスレベル以上が必要です。
日常生活時(外食やスーパー、病院など)
日常生活では、買い物や外食・病院などで会話が発生します。基本的には、中高レベルの英語力で問題はないです。基本的な単語と文法で短い文章が作れるレベルなら、スムーズとはいかなくても会話のキャッチボールは可能です。単語で言いたいことを伝えることはできますが相手の言っていることを理解するために、リスニングが最重要スキルと言えるでしょう。
海外で働くために必要な英語力は?目安を紹介!
英語圏 | 東南アジア | 中国・台湾・香港 | 韓国 | ヨーロッパ | |
営業職 | IELTS:7.0以上 TOEIC:860以上 | IELTS:6.0以上 TOEIC:700以上 | IELTS:6.5以上 TOEIC:750以上 中国語検定:準1級以上 HSK:5級以上 | IELTS:6.0以上 TOEIC:700以上 TOPIK:6級以上 | IELTS: 6.5以上 +現地の母国語 |
IT・技術エンジニア | IELTS:6.0以上 TOEIC:700以上 | IELTS:5.5以上 TOEIC:600以上 | IELTS:6.0以上 TOEIC:700以上 中国語検定:2級以上 HSK:4級以上 | IELTS:5.5以上 TOEIC:600以上 TOPIK:4級以上 | IELTS: 6.0以上 +現地の母国語 |
会計士 | IELTS:6.5以上 TOEIC:800以上 | IELTS:5.5以上 TOEIC:600以上 | IELTS:6.0以上 TOEIC:700以上 中国語検定:準1級以上 HSK:5級以上 | IELTS:5.5以上 TOEIC:600以上 TOPIK:5級以上 | IELTS: 6.5以上 +現地の母国語 |
保育士・チャイルドケア | IELTS:6.0以上 TOEIC:650以上 | IELTS:5.5以上 TOEIC:600以上 | IELTS:6.0以上 TOEIC:650以上 中国語検定:3級以上 HSK:4級以上 | IELTS:5.5以上 TOEIC:600以上 TOPIK:4級以上 | IELTS: 6.0以上 +現地の母国語 |
看護師・介護士 | IELTS:6.0以上 TOEIC:650以上 | IELTS:5.5以上 TOEIC:600以上 | IELTS:6.0以上 TOEIC:650以上 中国語検定:3級以上 HSK:4級以上 | IELTS:5.5以上 TOEIC:600以上 TOPIK:4級以上 | IELTS: 6.0以上 +現地の母国語 |
国別に必要な英語力を紹介
英語圏(アメリカ、イギリス、オーストラリア、カナダなど)
営業職 | IT・技術エンジニア | 会計士 | 保育士・チャイルドケア | 看護師・介護士 | |
IELTS | 7.0以上 | 6.0以上 | 6.5以上 | 6.5以上 | 6.0以上 |
TOEIC | 860以上 | 700以上 | 800以上 | 650以上 | 650以上 |
英語圏では、学歴や職歴によって上記の英語力がない場合でも就労ビザが出る場合があります。しかし、必要な学歴や職歴がない場合は、上記の英語力をつけてから渡航するのがおすすめです。英語圏は当たり前のようにビジネスレベルの英語が話せる人ばかりですので、専門職でない場合は最低限TOEIC860以上の英語力をつけてから渡航することをおすすめします。
東南アジア(タイ、マレーシア、インドネシアなど)
営業職 | IT・技術エンジニア | 会計士 | 保育士・チャイルドケア | 看護師・介護士 | |
IELTS | 6.0以上 | 5.5以上 | 5.5以上 | 5.5以上 | 5.5以上 |
TOEIC | 700以上 | 600以上 | 600以上 | 600以上 | 600以上 |
英語圏よりも最低限必要な英語力は低めでOKです。しかし、タイやマレーシア、インドネシアの外資系企業では英語が通じますが、現地企業では英語より現地の言葉が必要な場合もあります。シンガポールは東南アジアの中でも英語力が必要な都市のため、上記で紹介した英語圏レベルの英語力が必要です。
中国、台湾、香港
営業職 | IT・技術エンジニア | 会計士 | 保育士・チャイルドケア | 看護師・介護士 | |
IELTS | 6.5以上 | 6.0以上 | 6.0以上 | 6.0以上 | 6.0以上 |
TOEIC | 750以上 | 700以上 | 700以上 | 650以上 | 650以上 |
中国/台湾では、どちらかというと英語よりも中国語が話せることの方が重要です。ただ香港は外資系企業が多く、イギリス植民地時代に英語教育を受けていたので、英語を話せる人が多いです。現地就職をする場合は、上記の英語力+中国語力をつけてから転職した方が有利で入社してからも困らないでしょう。
韓国
営業職 | IT・技術エンジニア | 会計士 | 保育士・チャイルドケア | 看護師・介護士 | |
IELTS | 6.0以上 | 5.5以上 | 5.5以上 | 5.5以上 | 5.5以上 |
TOEIC | 700以上 | 600以上 | 600以上 | 600以上 | 600以上 |
韓国も英語より韓国語を話せることの方が重要です。韓国に現地就職する場合は、上記の語学力をつけてから転職した方が有利で、入社してから困らないでしょう。ただ日常会話以上の韓国語が話せる人は、+αで英語も話せるとさらに転職先の可能性が広がります。海外に進出している韓国企業も多いので、日・韓・英のトリリンガル人材は非常に重宝されます。
ヨーロッパ(ドイツ、フランス、イタリア、ベルギーなど)
営業職 | IT・技術エンジニア | 会計士 | 保育士・チャイルドケア | 看護師・介護士 | |
IELTS | 6.0以上 | 5.5以上 | 5.5以上 | 5.5以上 | 5.5以上 |
ヨーロッパでは、CEFR(セファール)でB2以上の英語力が目安となります。CEFRとはCommon European Framework of Reference for Languagesの略で、外国語の運用能力を同一に測る国際基準のことです。また、英語以外にその国の言語が話せることで就職はより有利になります。
英語力が低くても応募可能な職種5選
英語力がない場合は、海外転職を諦めるしかないの?
答えはNOです。実は、英語力が低くても応募できる職種は存在します。日本語に関係がある職種は、英語力が低くても応募できる可能性があります。下記に、職種をいくつか紹介します。
・日本食レストラン
・日本語の教師
・ホテルのスタッフ
・日系留学エージェント
・日系旅行会社
日本食料理店
日本食レストランは、未経験の方でも一番働きやすい職種です。日本で就労経験がない、英語に不安がある方でも働ける可能性があります。
外食レストランの中でも日系のレストランであれば、より就職ハードルは下がります。同僚も日本人であることが多く、高い英語力はあまり必要ないです。専門的なスキルがいるシェフなどは、就労ビザのスポンサーを出してくれる場合もあります。
日本語教師
海外の日本語学校も日本人の求人が出ていることがあります。しかし日本語教師は資格が必要な場合もあるので、日本で事前に取得しておくといいでしょう。
また頻繁に空くポジションではないので、頻繁に求人サイトをチェックしておくことが必要です。もしくは、日本語学校のWEBサイトなどから空きがあるか問いあわせてみることも有効です。高いレベルの語学力が必要なわけではないので、英語力に不安がある人にはおすすめです。
ホテルスタッフ
ホテル関係の仕事には複数の職種があります。中でも清掃員は、ホテル関連の職種の中で一番就職難易度の低い職業です。清掃員であればコミュニケーションも最低限で問題ないです。語学力、コミュニケーション能力が不安な方はホテルの清掃員がおすすめです。
ホテルのフロントスタッフへの就職も比較的難易度が低いです。ただし、お客さんと頻繁に会話をするので語学力やコミュニケーション能力は必須です。
日系留学エージェント
留学エージェントもおすすめの就職先の一つです。日系の留学エージェントが海外の各都市に存在していますが、少人数で運営していることが多いため、ポジションが空くのを待つ必要があります。
また、上記の関係でスタッフ一人当たりの責任範疇が広く業務も多岐にわたります。ホームステイの手配や顧客との調整に語学力も必要となります。
業界は未経験だが、語学はある程度話せる人にとっては有力な就職先候補となりえます。
日系旅行会社
旅行会社も比較的就職しやすい職種です。海外に進出している日系の旅行会社の支店では日本人を募集していることもあります。窓口営業やツアーガイドの求人が多く、日常会話レベルなど一定の英語力は必要です。
日本で旅行関係の仕事をしていなかったとしても、採用されている例は複数件あります。コミュニケーション能力はあるけど、業界未経験の方にはおすすめの職種です。
働きたい職種があるけど英語力が足りない場合は、現地の学校で英語や専門分野を学んでから就職する方法もあります!
おすすめの英語勉強法
英語力が低くても就職できる職種はありますが、冒頭に記載のように英語力は高い方が就職も有利ですし現地の生活もストレスフリーになります。海外転職に向けて、英語力を上げるためおすすめの英語勉強法を下記に紹介します。
オンライン英会話
英語力を即席で上げるには、オンライン英会話が最もおすすめです。海外転職における面接シーンや実際の職場で一番重要なのは、リスニングとスピーキングです。
オンライン英会話は、安価にリスニングとスピーキングを鍛えることができます。今は月額7000円程度でレッスンを受けられる会社が多く、レッスンを受講する場所も問わないので時間や場所の自由がききます。語学は楽器やスポーツと同じように、まずは質よりも量が大事です。
下記でおすすめのオンライン英会話を紹介しています。
海外ドラマ/洋画視聴
海外ドラマ/洋画視聴は、楽しく続けられる勉強法の一つです。まずは好きなドラマや映画を選び、下記のような順序で観ていくのがおすすめです。特に最初は、日本で何回も観たことのある作品や、ディズニー作品が内容が簡単で英語もわかりやすいた習熟度が高いと思います。
1. 音声:英語、字幕:日本語
2. 音声:英語、字幕:英語
3. 音声:英語、字幕なし
日本にいる間に、3.音声:英語、字幕なしで理解するのは難しいかもしれません。海外転職に向けてだけでなく、転職後現地でも楽しく続けられるのがメリットです。
単語を覚える
英会話をするにおいて、単語がわからないと何も理解できないです。単語数としては、2000語で日常英会話の80%をカバーできるため、2000語程度をまずは目標に学習していきましょう。ちなみに中学までに1200単語、高校までに3100単語を覚えるので、2000語は高校1~2年生までに覚える単語数と同じ目安です。
おすすめの単語帳は、“毎日の英単語”です。”毎日の英単語”は”使える英語”を学ぶことができます。どの場面で使うべき英単語なのかを合わせて学べるので、実践の場で使いやすいというメリットがあります。
下記の記事で英語留学前の勉強法を解説しています。転職前にも同様の勉強法が役立ちますので参考にしてみてください。
海外転職時の英語に関するよくある質問
海外転職前に英語の資格は取っておいたほうがよい?
結論、海外転職する前に英語の資格は取っておいたほうが良いです。国によって最適な資格は異なりますが、欧米圏やヨーロッパであれば、IELTSやTOEFL、中国はHSKや中国語検定、韓国はTOPIKなどが有効と言えるでしょう。TOEICや英検は日本では大学受験や就職活動に有利とされていますが、国際基準ではあまり目安に使われていないため注意が必要です。
英語力と年収は関係ある?
英語力と年収は多少なりとも関係があります。しかし、海外転職で必要なのは英語力だけではありません。英語以外に専門知識や技術があれば、高年収になる可能性も高いです。ただし、最低限の英語力がないとそもそも就職が難しいので最低限の英語力はつけてから転職しましょう。
英語力がないけど海外転職したい場合はどうすればよい?
下記の3パターンの方法で海外転職するのがおすすめです。
①英語力が低くても転職できる求人を探す
②日本で英語力をつけてから転職する
③海外の学校で学んでから転職する
まとめ:海外転職に必要な英語力は働く国によって異なる!
ここまで、海外転職に必要な英語力、英語力に自信がない人でも応募可能な職種、おすすめの英語勉強法など紹介をしてきました。
海外転職に必要な英語力は下記の通りです。
- IELTS:最低5.0以上
- TOEIC:最低500以上
英語力に自信がなくても可能な職種は下記の通りです。
- 日本食レストラン
- 日本語の教師
- ホテルのスタッフ
- 日系留学エージェント
- 日系旅行会社
おすすめの英語勉強方法は下記の通りです。
- オンライン英会話
- 海外ドラマ/洋画視聴
- 単語を覚える
海外転職に関して不明な点がありましたら、こちらから気軽にお問合せください。
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